半日有給の疑問あれこれを解説

最近は、労働者の利便性を考慮して、半日単位の有給休暇を認める会社も増えてきました。でも、実際に半日有給制度を開始すると、会社側も労働者側もいろんな疑問が生じてきます。

今回は、そんな半日有給の様々な疑問のうち代表的なものについて解説していきたいと思います。

  

 

そもそも半日有給制度は認められるのか?

年次有給休暇は、本来は1労働日をその取得単位と想定して作られた制度であるため、そもそも半日単位で与えることを予定していません。ただ、昨今の労働者側からのニーズと有給休暇の取得率がなかなか伸びないことから、労働者が半日単位での取得を希望し、会社側もこれに同意したのであれば、本来の年次有給休暇の趣旨に反しない限りで、半日単位での取得も認められています。よって、半日単位での取得は法律に違反するわけではありません。

労働者と会社の双方が半日単位での取得について合意している必要があるため、労働者が半日単位での取得を希望しても会社側は拒否することは可能です。逆に、労働者が1日での取得を希望しているにも関わらず半日単位でのみ取得を認めるようなことも当然に認められません。

半日単位の有給休暇取得が午前と午後で差が出る場合

先ほども書いたように、本来、労働基準法では、有給休暇の取得について半日での取得を想定していません。そのため、半日単位の細かい設定は、労働者と会社が同意しており、本来の取得方法による休暇取得の阻害にならない範囲で、適切に運用される限り、基本的に自由に行うことができます。

例えば、1日8時間が労働時間(昼休憩は12時~13時)の会社で、4時間ごとで区切る半日有給はまったく問題ありません。ただ、例えば、9時から18時までの会社で、1日の後半の半日有給を希望した場合、1日の前半の勤務は、1時間の昼休憩を挟んでしまうため、午後は1時間だけ勤務して、帰宅することになります。もちろん、運用上、不公平感はないいので、これでも構いませんが、不便と感じられる場面もでてくるかと思います。

その場合、やはり、単純に午前と午後で半日を分けたいと考えるのは普通ですし、実際そのような運用をしている会社も多いです。

ただ、その場合、上記の例のような9時から18時(昼休憩は12時~13時)の会社の場合は、午前の半日有給を取った場合は9時から12時までの3時間の休暇、午後からの半日有給を取得した場合は、13時から18時までの5時間の休暇となり、午前と午後で2時間の差が出ることになります。

一見、問題があるように思われますが、こちらも、会社と労働者側とが同意をしていれば、こういった運用でもl特に問題がないとされています。

午前中の半日有給は損だから、1日取ってしまおうと労働者が考えるのであれば、それは自由ですし、多少損しても午前中の半日有給を取りたいと労働者が考えるのであれば、それもまた自由ということになります。

有給休暇

もともと半日出勤の日に有給休暇を取得したら、1日分の有給なのか半日分の有給なのか

例えば、あらかじめ土曜日は9時から12時までの勤務と決まっていた場合に、この日に有給休暇の取得を申請した場合、1日分の有給休暇が消化されるのでしょうか?それとも半日分の有給休暇が消化されるのでしょうか?

答えは、原則として1日分の消化になります。
なぜかというと、労働基準法では、有給休暇で消化される労働日というのは、あくまで1労働日という単位です。1労働日が8時間なのか6時間なのか、あるいは4時間なのかは規定されていないのです。とにかく、その日が何時間であろうと決められた労働時間のすべてを休んだ場合、「1労働日」分が消化されることになります。この会社は、土曜日は午前のみの勤務とあらかじめ決まっていたので、この日に有給休暇を取得すれば1労働日が消化されることになります。

とは、言っても会社側が土曜日に有給休暇を取得した場合は、半日分のみ有給休暇を消化すると定めてくれていれば、労働者にとっては有利になりますので、半日とすることについては全く問題ありません。こういった定めがなく、土曜日に有給休暇を取得して1日分が消化されたとしても労働者側は文句を言うことはできません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、半日有給に関して代表的な疑問にお答えしました。細かい運用については迷う場合があると思います。

もし、上記以外に半日有給で疑問がある場合は、コメント欄からお寄せください。可能な限り回答させて頂きます。

また、上記以外で取り上げてほしい事項がありましたら同じくコメント欄にお寄せください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です