一般の会社員の方が加入する協会けんぽの健康保険証や大企業の方が加入している健康保険組合の健康保険証には有効期限はありませんので、基本的に、その会社を退職するまでは同じ健康保険証を使い続けることになりますが、市区町村が運営する国民健康保険証には有効期限というものがあります。
有効期限があっても、保険料をきちんと納めている人はには、問題なく、新しい保険証が送られてくるのですが、もし、国民健康保険料を滞納していたらどうなるのでしょうか?新しい保険証は貰えないのでしょうか?そうなったら病院にかかれないのでしょうか?
今回は国民健康保険の更新と滞納について解説していきたいと思います。
国民健康保険証には必ず有効期限がある
どの市区町村の国民健康保険であっても、必ずその保険証には有効期限が存在します。多くの市区町村の国民健康保険証の有効期限は、1年間ですが、市区町村によっては2年間とするところもあります。ご自身の国民健康保険証の有効期限を確認するには、お持ちの国民健康保険証をみればすぐに分かります。以下は、神戸市の国民健康保険証のサンプルです。
神戸市の場合は、国民健康保険証の上のほうに有効期限が書いてあります。このように、基本的に、国民健康保険証のどこかに有効期限に記載があるはずです。
国民健康保険は更新手続が必要か?
上記に書いたように、国民健康保険には必ず有効期限があります。では、有効期限が近くなったら、市区町村の役所に行って、更新手続をしなければならないのでしょうか?
答えとしては、基本的にあらためて更新手続をする必要はありません。国民健康保険料などを滞納していなければ、有効期限が切れる前に、新しい国民健康保険証が、その世帯主宛に簡易書留郵便等で郵送されてきますので、今もっている国民健康保険証と差し替えるだけでOKです。
もちろん有効期限が切れた国民健康保険証は、有効期限後は使えないので注意してください。基本的にどの市区町村も古い保険証については、自分で破棄すればよいことになっています(市区町村に返却する必要はありません)。
万が一、保険料等を滞納していないのに、有効期限が切れる1週間前までに新しい保険証が届かなかった場合は、すぐに市区町村に問い合わせましょう。
国民健康保険の更新手続が必要な場合もある
これらが届いた方は、実際に市区町村の窓口に行って、保険料についての相談を行います。例えば、そこで滞納している分の一部でも支払うとか、今後、分割で支払っていくとか相談して、保険証の更新を行います。対応はそれぞれの滞納状況と、市区町村の考え方によって異なりますので、どのような対応になるかは、分かりませんが、通常の保険証がもらえる場合もありますし、有効期限が通常のものよりも短く設定された「短期被保険者証」が渡される場合もあります。この場合、有効期限が短いので、切れる前に再び窓口に行って手続を取る必要がでてきます。
市区町村からの督促状やお知らせを無視し続けて、それでも支払わないと、新しい保険証は交付されず、かわりに「被保険者資格証明書」というものが交付されます。
病院にかかる場合は、これを提出するのですが、提出しても、病院の窓口では3割負担ではなく10割負担、つまり医療費全額を一旦支払わなくてはなりません。支払ったうえで、後日、7割分を還付してもらう手続を市区町村でとるのですが、実際には、還付されるわけではなく、滞納している保険料に充当されるだけになります。
まとめ
生活が苦しく、国民健康保険料を払えない状況になってしまうこともあると思います。その場合は、無視するのではなく、必ず市区町村に行って、相談をしてください。
場合によっては、保険料免除の対象になっている可能性もありますし、減額される可能性もあります。それらが無かったとしても、なんとか少額でも分割で納めるよう相談できる場合もあります。そうすれば、保険証の更新は行えるので、通常通り病院にかかることができます。無視して滞納し続ければ、いずれ財産差し押さえになりますので、無視するのは止めましょう。
どのような対応になるかは、各市町村によって異なります。私は仕事柄、いろんな市区町村に確認していますが、かなり温情的な役所もあれば、かなり厳しい対応をする役所もあります。どちらにしても、一度、相談してみてください。