人事労務部

突然、年金が減らされたとのご相談。その真相は?

今回は、関与先の社長さんからのご相談でした。少し慌てた感じでお電話をいただきました。
話を要約すると、いつものように年金の支給日に、銀行へ記帳に行ったら、いつもより年金額が少ない、どうなってるんだ?
というものでした。
その後、いろいろとお話を聞いて、どうして急に振り込まれた年金額が少なくなったのか、その理由がわかりました。
これは、これを読んで頂いている皆さんにも十分起こりうる現象なので、今回は、この点について解説したいと思います。
  

なぜ、年金額が減らされたのか?

さて、いきなりですが、なぜこの方の年金が減ることになったのか、その点を解説したいと思います。

まず、この方は、現在、68歳で老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給しています。
これまでの年金の額は、年額で約140万円でした。
それが、ある月から年額約100万円に減らされました。

つまり約40万円程度が減額になったことになります。

約40万円が減らされたと聞いて、年金に詳しい方なら、すぐにその答えが思い浮かぶと思います。

そうです、この方の「加給年金と特別加算」がなくなったため、減額となったわけです。
つまり、この方の奥様が65歳に到達したということですね。

では、加給年金とは何でしょうか?

加給年金とは?

加給年金は、厚生年金の一部として支給されるもので、一定の要件を満たした方が受給できます。

まず、厚生年金に20年以上加入していることが必要です。あくまで厚生年金に加入した期間なので、国民年金のみの期間や共済年金に加入していた期間は含みません。また、一部例外があって、20年に満たない場合でも受給できる方もみえますが、ここでは割愛します。

そして、もう一つの要件として、この方に生計を維持されている一定の要件を満たした配偶者や子供が存在する必要があります。

生計を維持されているというのは、簡単に言うと扶養されているということです。この方の収入で主に生活を行っているということです。

どういった配偶者や子供がいることが必要かというと

配偶者の場合は、65歳未満であること(大正15年4月1以前生まれについては年齢制限なし)

子供の場合は、18歳に到達後最初の3月31日までの間にあること(一般的には高校生までということになります)又は、障害等級が1級または2級でかつ20未満の子供も対象です。
また、子供については、その対象人数が増えれば増えるほど加給年金額も増えていきます。

上記のように、対象の配偶者がいる場合、配偶者が65歳未満である必要があるため、今回の相談者の場合は、配偶者が65歳に到達したため、この加給年金が停止になり、減額されたことになります。

加給年金の額は?

加給年金はいくらもらえるのか、その額を見てみたいと思います。

対象の配偶者がいる場合・・・・224,900円(年額)

1人目、2人目の子供がいる場合・・・・各224,900円(年額)

3人目以降の子供がいる場合・・・・各75,000円(年額)

配偶者の場合は、単純ですね。子供の場合は、例えば対象の子供が3人いる場合、224,900円+224,900円+75,000円=524,800円ということになります。

加給年金には、さらに「特別加算」というものがあります。これは対象の配偶者がいる場合にのみ支給されるもので、受給権者の生年月日によってその金額が異なります。金額は以下のようになっています。

受給権者の生年月日が
S9.4.2~S15.4.1の場合、特別加算は33,200円(年額)
S15.4.2~S16.4.1の場合、特別加算は66,400円(年額)
S16.4.2~S17.4.1の場合、特別加算は99,600円(年額)
S17.4.2~S18.4.1の場合、特別加算は132,700円(年額)
S18.4.2以降の場合、特別加算は166,000円(年額)
となります。

ちなみに、今回のご相談者の生年月日は昭和18年4月2以降なので、特別加算の額は166,000円でした。加給年金の額が224,900円なので、両方合わせると、390,900円になるので、約40万円減額されたという話と合致します。

まとめ

まとめると、今回のケースは、奥様が65歳になったことにより、本人の加給年金及び特別加算が打ち切りになったため、トータルの年金額が減額されたということでした。配偶者がいる方であれば、どなたにも起こりうる事例ですので、もし、突然、年金が減額されたら、奥様の年齢などを確認してみてください。
もちろん、年金額の改定通知書が日本年金機構から届きますので、一応、そこにも加給年金がなくなりますということが書いてはありますが、正直、わかりにくいです。

ちなみに、今回、加給年金が打ち切りになりますが、その代わり、奥様の年金のほうに「振替加算」というものがつく場合があります。
今回の相談者の方の奥様にも振替加算がつきましたが、その金額は98,956円ですので、加給年金と比べると、かなり低いことがわかります。

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