人事労務部

失業保険受給中にアルバイトはしてもいいの?

さて、今回は、退職された方から失業保険受給中のアルバイトについてのご質問がありましたので、失業保険とアルバイトの関係について説明していきたいと思います。失業保険受給中に「アルバイトをしたい」と考える方は多いと思います。特に、失業保険の金額が低い方や、給付制限期間(申請してから失業保険が貰えない期間)が長い方などは、特にアルバイトをしたいと考えると思います。

やみくもにアルバイトをしてしまうと、アルバイトをした日数や時間、給料額によって、失業保険の受給金額が変わったり、不支給になったりして、結果として損してしまうケースも少なくありません。そうならないためにも、是非、失業給付とアルバイトの関係について理解していただきたいと思います。

 

失業保険をもらい始める前にアルバイトしたらどうなる?

まず、アルバイトをして良い時期としてはダメな時期を確認しておきましょう。

求職の申し込みをする前のアルバイト

前職を退職し、その後、失業保険を受けるためにハローワークへ手続きに行くと思うのですが、このハローワークへ失業保険を受けるための手続きをとることを「求職の申し込み」と言います。

この「求職の申し込み」を行う前であれば、どれだけアルバイトをしても構いませんし、もちろんハローワークへ報告の義務もありません。

待機期間中のアルバイト

次に「求職の申し込み」を行うと、失業保険が受給できるかどうかの審査が行われ、失業保険を受給する資格があるとされると受給資格決定の日から「7日間」は待機期間となります。この間は、完全に失業状態にあることが求められますので、アルバイトはできません。

給付制限期間中のアルバイト

次に、先ほどの7日間の待機期間が終了すると、もし、自己都合等(一身上の都合など)で前職を退職している場合は、「給付制限期間」といって、実際に失業保険が支給されるまで「待たされる期間」が設けられます。これが通常3ヶ月間あります。

この給付制限期間中は、条件付でアルバイトは可能です。

どのような条件かと言うと

○週20時間未満のアルバイト

又は

○週20時間以上だが30日以内に終了する短期のアルバイト

です。

ただ、上記の条件でアルバイトをしたとしても、ハローワークにはその事実を報告しなければなりません。報告したとしても、給付制限期間が長くなるわけではないので、特別何か不利益があるわけではありません。

では、上記以外のアルバイト、具体的には週20時間以上かつ31日以上のアルバイトをする場合はどうなるでしょうか?

実は、週20時間以上かつ31日以上働く場合は、そのアルバイト先で雇用保険への加入義務が発生します。雇用保険に加入するということは、基本的に就職したとみなされて、その間、失業保険はもらえなくなります。ただ、一定条件の下、別の「就業手当」というものが支給される可能性がでてきます。ただ、この就業手当、1日の上限金額が60歳未満で1,821円(平成29年8月現在)と非常に低く、なおかつ、もし、アルバイトをやめたら失業保険が受給できるのですが、この就業手当を貰った日数分だけ失業保険の日数が減らされてしまうので、あまりお得ではありません。そのため、アルバイトをするのであれば、雇用保険加入しない程度(週20時間未満)で働くことをおすすめします。 

失業保険受給中にアルバイトしたらどうなる?

先ほどまでは、まだ実際に失業保険を受給する前の話でしたが、では、実際に失業保険の受給を開始してからのアルバイトはどうなるでしょうか?

受給中のアルバイトは、どれくらいアルバイトで働くかによって変わってきます。

①1日4時間未満のアルバイト

失業保険受給中に1日4時間以内のアルバイトをすること自体は、問題ないのですが、そのアルバイトの収入によって、失業保険が全額支給される場合、減額支給になる場合、不支給になる場合に分けられます、不支給になったとしても、その分が後回しになるだけで、失業保険の受給日数に影響はありません。ただ、減額支給の場合は、失業保険は減額といえども受給することになるので、その分の給付日数は減ることになります。

では、どれくらいの収入で全額支給、減額支給、不支給になるかみてみましょう。

全額支給

「収入の1日分に相当する額」-1,287円(平成29年8月現在)+基本手当日額≦賃金日額の80%

であれば、減額されずに失業保険を全額受給できます。

減額支給

「収入の1日分に相当する額」-1,287円(平成29年8月現在)+基本手当日額>賃金日額の80%

この場合だと失業保険は賃金日額の80%を超えた部分が減額されます。

不支給

「収入の1日分に相当する額」-1,287円(平成28年8月現在)+基本手当日額≧賃金日額の80%

この場合だと失業保険は、そのアルバイトした日については、支給されませんが、後のアルバイトしなっかた日で失業状態にある日に受給できます。ようするに後回しになるだけです。

では、具体的に計算してみましょう。例えば、前職でのお給料がだいたい月30万円程度だった方の、賃金日額は30万円×6ヶ月÷180=10,000円です。これの80%は8,000円になります。また、この場合の基本手当日額は5,891円になります(基本手当日額は、実際に受け取れる1日あたりの失業保険の額です)

失業保険を満額受給するためには、アルバイト収入-1,287円+5,891円が8,000円を下回っている必要があるので、8,000円+1,287円-5,891円=3,396円となり、1日あたりのバイト金額がこの金額を下回っていれば、全額支給されることにあります。なので、時給1,000円であれば3時間程度いうことになります(そもそも4時間以内である必要があります)。

②1日4時間以上のアルバイト

1日4時間以上のアルバイトを行った日については、失業保険は支給されず、その分が先送りになります。上記4時間未満のアルバイトのときの「不支給」と同じ扱いになります。

ただ、さらに長くは働いてしまって、週20時間以上かつ、31日以上の雇用見込が発生すると、アルバイト先での雇用保険加入義務が発生し、失業保険は一旦中止になってしまいますので、注意が必要です(その場合、就業手当が受給できる可能性がありますが、あまり得策ではありません。また、さらに1年以上の雇用見込が発生すれば、再就職手当の受給可能性が出てきます。再就職手当については「再就職手当の申請方法・条件・金額を詳細解説」をご覧ください。)

 

アルバイトをしたらきちんと申告を!

アルバイト等をした場合は、必ず申告しなければなりません。どのように申告するかと言うと、失業認定日に提出する「失業認定申告書」の中で申告します。以下は、実際の「失業認定申告書」です(クリックで拡大できます)。

この申告書の冒頭に「失業の認定を受けようとする期間中に、就職、就労又は内職・手伝い をしましたか。」の欄があるので、アルバイトをした場合は「した」に○をつけます。そして、その隣のカレンダーに4時間以上のアルバイトをした場合は○印を、4時間未満のアルバイトをした場合は×印を付けます。

そして、さらに下の段で、4時間未満のアルバイトをした日の収入額を記載します。これで、基本的には申告が完了します。

申告しなかったらどうなる?!

「どうせアルバイトしてもバレないだろう」と考えて、申告しない方もみえますが、やめておきましょう。

特に最近は、マイナンバー施行により、より、不正が発覚しやすくなっています。

アルバイトをしたのに、申告しなかった場合で、本来、減額等されるはずの失業保険を満額受給した場合、あるいは本来は受給できないのに受給した場合は、「不正受給」となります。

「不正受給」と認定された場合は、それ以降、当然ながら失業保険は受給できなくなります。受給できなくなるだけでなく、今まで受け取った失業保険も返還し、さらに受け取った額の2倍の額を支払わなければなりません。つまりは受け取った金額の実に「3倍」の額を返金しなければなりません。非常に、厳しい罰則が待っていますので、絶対に不正受給は止めましょう。

まとめ

失業保険の手続き中あるいは、実際に受給し始めてからも、ある程度のアルバイトは行って頂ける事はお分かり頂いたと思います。ただ、失業保険は、本来、失業中の生活を補填し、その間に安定した職業へ就くことを目的としたものです。そのため、就職活動に大きく影響するような長期のアルバイトや高額のアルバイトをすることは、本来できません。
もちろん生活もあるので、アルバイトすること自体、否定する気は毛頭ありませんが、ほどほどにして、就職活動もがんばりましょう。

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