第五章 休暇等

(年次有給休暇)
第18条
1.各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。

勤続年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

2.従業員は、年次有給休暇を取得しようとするときは、あらかじめ時季を指定して請求するものとする。ただし、会社は事実の正常な運営に支障があるときは、従業員の指定した時季を変更することがある。
3.第1項の出勤率の算定に当たっては、年次有給休暇を取得した期間、産前産後の休業期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)に基づく育児・介護休業期間及び業務上の傷病による休業期間は出勤したものとして取り扱う。
4.前項の規定にかかわらず、従業員代表との書面による協定により、各従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して与えることがある。
5.当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。

(休日)
第16条
1.休日は次のとおりとする。
第1班 火曜日及び水曜日  第2班 水曜日及び木曜日
2.前項の班別は、○か月ごとに決定し、あらかじめ通知する。
3.業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ第1項の休日を他の日に振り替えることがある。

(産前産後の休業)
第19条
1.6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性従業員から請求からあったときは、休業させる。
2.出産した女性従業員は、8週間は休業させる。ただし、産後6週間を経過した女性従業員から請求があったときは、医師が支障がないと認めた業務に就かせることができる。

(母性健康管理のための休暇等)
第20条
1.妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、所定労働時間内に、母子保健法に定める健康診査又は保健指導を受けるために、通院に必要な時間について、休暇の請求があったときは、通院休暇を与える。
2.妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、所定労働時間内に、母子保健法に定める健康診査又は保健指導を受けるために、通院に必要な時間について、休暇の請求があったときは、通院休暇を与える。
(1)妊娠中の通勤緩和
通勤時の混雑を避けるように指導された場合は、原則として1時間の勤務時間の短縮又は1時間以内の時差出勤
(2)妊娠中の休憩の特例
休憩時間について指導された場合は、適宜休憩時間の延長、休憩の回数の増加
(3)妊娠中又は出産後の諸症状に対応する措置
妊娠又は出産に関する諸症状の発生又は発生のおそれがあるとして指導された場合は、その指導事項を守ることができるようにするため作業の軽減、勤務時間の短縮、休業等

(育児休業等)
第21条
1.従業員は、1歳に満たない子を養育するため必要があるときは、会社に申し出て育児休業をし、また、3歳に満たない子を養育するため必要があるときは会社に申し出て育児短時間勤務制度等の適用を受けることができる。
2.育児休業をし、また、育児短時間勤務制度等の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児休業、育児のための深夜業の制限及び育児短時間勤務に関する規程」で定める。

(介護休業等)
第22条
1.従業員のうち必要のある者は、会社の申し出て介護休業をし、又は介護短時間勤務制度の適用を受けることができる。
2.介護休業をし、又は介護短時間勤務制度の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「介護休業のための深夜業の制限及び介護短時間勤務に関する規程」で定める。

(育児時間等)
第23条
1.1歳に満たない子を養育する女性従業員から請求があったときは、休憩時間のほか1日について2回、1回について30分の育児時間を与える。
2.生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があったときは、必要な期間休暇を与える。

(慶弔休暇)
第24条
従業員が次の事由により休暇を申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える
1)本人が結婚したとき   日
2)妻が出産したとき   日
3)配偶者、子又は父母が死亡したとき   日
4)兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき    日

上記規定の解説・問題点

年次有給休暇について、上記の規定では、特に取得方法について定めていませんが、社員に急に有給休暇を取得されては、仕事に支障をきたす場合も考えられますので、「原則1週間前に届け出ること」などを定めておくといいでしょう。ただし、許可制とすることは禁止されていますので注意が必要です。また、急な病気などで欠勤した場合に、事後にその欠勤を有給休暇に振り替えるうことが出来る制度を設けるかどうかも規定しておく必要があります。

有給を一度に取得する日数に制限を設けることは、原則として出来ません。かといって、急に1週間や2週間も休まれては、仕事にならない場合もあるでしょう。ですから、それらを防止できるような規定を盛り込む必要があります。

有給休暇の請求権は、2年間有効と法律で定められていますので、翌年度までは繰り越せることになります。しかし、 何も考えず上記のモデル規則のように定めてしまうと、有給休暇は、一向に消化されず、最大で40日まで膨らんでしまいますので、工夫して規定を考える必要があります。

年次有給休暇の発生要件である8割以上の出勤率の計算方法は、就業規則に明確に規定しておかないと、トラブルに繋がります。社員にしてみれば、この計算方法によって自分の有給休暇が0になる可能性もあるため、大きなトラブルに発展しかねないのです。

(産前産後休業)は、法律で定められていますので、産前の休暇は、本人の請求があった場合、必ず与えなければなりませんし、産後の休暇は、本人の請求の有無に関係なく取得させなければなりません(ただし、6週間経過後は除く)。
なお、産前産後休業中は、無給とすることも、有給とすることもできます。どちらにしても、はっきり就業規則に規定しておく必要があります。

育児・介護休業も法律で定められた休暇ですので、法律に反しないように規定することが大切です。法律に則した就業規則を作成するのもトラブルを防ぐ第一歩です。また、当然ですが、有給とするのか無給とするのかは必ず明記します。

 

産前産後休業や育児・介護休業は、要件に該当すれば必ず与えなくてはなりませんが、 慶弔休暇等のいわゆる法定外休暇を設けるかどうかは、会社の自由です。年次有給休暇さえ消化できない社員が、殆どという状況で法定外休暇を設ける意味は薄いようにも思います。慶弔休暇等は年次有給休暇で対応するという制度にしても良いと思います。

慶弔休暇中に休日がはさまるときは、その休日を慶弔休暇の日数に含めるのが原則ですが、運用上含めない例もあり、どちらか明確にしておくべきでしょう。