休職期間満了で復帰不可の場合、自然退職とするのは適法か?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

多くの会社では、従業員の方が、病気やケガなどをし、仕事が出来なくなった場合、休職制度により、その従業員の方を休職扱いにしていると思います。
ただ、休職をいつまでも認めるのは会社としても新しい人を雇うこともできないため、期限を設けているのが普通です。
ではその期限が到来したとき(期間が満了したとき)に、その従業員はどのような扱いになるのでしょうか?
「当然、クビでしょう」と考える方も多いと思います。クビとはつまり「解雇」となるわですが、実はそうならない場合もあります。
今回はこのあたりを解説したいと思ます。

  

まずは会社の就業規則を確認

会社の「休職制度」の内容は、会社によって異なります。休職制度自体は法的な義務ではないため、会社によっては休職制度がないところもあります。
ですから、ご自身の会社の休職制度がどうなっているかを確認するために、まずは、会社の「就業規則」を確認してみましょう。
(小規模の会社の場合は、就業規則が無い場合もあります。その場合は、基本的には休職制度も無いと思ったほうが良いですが念のため会社に確認してみてください)
以下は、一般的な休職に関する就業規則の規定です。

第〇条 (休職)
1.労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
  ① 業務外の傷病による欠勤が1ヶ月を超え、なお療養を継続する必要があるた め勤務できないとき・・・休職期間6ヶ月
  ② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき ・・・必要な期間
2. 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただ し、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせるこ とがある。
3.第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難 な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

上記の規定の場合は、病気等により欠勤が1ヶ月を超えた場合は、休職に入り、最長で6ヶ月間の休職制度が設けられています。もし6ヶ月経っても復帰できない場合は、「解雇」ではなく、「自然退職」(つまり自己都合退職)となるとしています。

つまり、従業員側がいくら復帰の意思があっても、6ヶ月後に復帰できなければ、自分で退職を選択したのと同じになってしまうということです。
働きたいと思っているのだから「解雇」ではないのかと思うかもしれませんが、過去の判例でも、退職扱いとすることは適法であると判断しています。

解雇となる場合

一方、就業規則に、「休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、解雇とする」と規定されていれば、自然退職ではなく、解雇となります。
そのため、会社は、30日以上前に解雇予告するか、30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要になります。
ただ、一般的には、例えば休職期間が6ヶ月であれば、5ヶ月が経過する前に、従業員に対し、「期間満了までに復帰できなければ解雇になります」と通知するケースが多いので、これが解雇予告の代わりになります。

そもそも休職制度がない会社であれば、会社側は解雇とするしかありませんので、必ず30日以上前に解雇予告するか、30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要になります。

休職期間満了でも退職又は解雇が認められないケース

ごくまれにですが、休職期間満了での退職又は解雇においてトラブルになるケースがあります。それは、病気になった理由が、会社側に起因する可能性がある場合です。多いのは、精神疾患の場合です。精神疾患になった理由が、上司や同僚のパワハラ、セクハラ又は会社の長時間労働などにある場合は、例え休職期間が満了して退職扱い又は解雇扱いにしても、不当解雇と判断される場合があります。実際、過去の判例においても退職扱いにしたケースを違法と判断したものがあります。
つまり傷病の理由が会社側にある場合は不当解雇の可能性があるので、注意が必要です。

まとめ

一般的な会社であれば、基本的には、休職期間満了で復職できなければ、退職扱いになると考えて良さそうです。
ただ、病気になった理由が会社側にある場合は、そもそも退職も解雇も不当となる場合があることに注意が必要です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*