10年で年金受給が可能に!いくら貰えるの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

今年の7月まで年金を受給するためには、原則として25年間の保険料納付期間が必要でした。もちろんすべての方が25年必要だったというわけではありません。例えば、正式に保険料を免除されていた期間や海外に住んでいた期間や20歳以上で学生だった期間などいわゆる合算対象期間(カラ期間)と呼ばれる期間についても、その25年に含めることができるためです。でも、あくまで原則としては、25年間保険料を支払っていないと年金は受給できませんでした。極端な話では、24年間納めたのに年金を受給できない場合もあったということになります。

これが今年(平成29年)8月より、「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」が施行され、この25年が10年に短縮されることになりました。今回は、この短縮について詳しく解説していきたいと思います。

 

25年から10年へ短縮された経緯と概要

冒頭でもご説明しましたが、今年7月までは、保険料を納付した期間と正式に保険料を免除された期間、そして合算対象期間を合わせて最低25年以上無ければ、老齢年金を受け取ることはできませんでした。ちなみに保険料を納付した期間というのは、国民年金の保険料を直接納めた期間だけでなく会社員として厚生年金に加入していた期間や公務員として共済年金に加入していた期間も含みます。
つまりこれらの期間の合計が25年に少しでも足りなければ、老齢に関する年金が全く受け取ることができない=掛け捨てになってしまっていた方がかなりの数いたことになります。

この25年という年数は、実は他国の年金制度と比べてもかなり長く設定されていました。例えば、アメリカやイギリスでは10年、ドイツでは5年など。

こういった他国の状況も踏まえつつ、いわゆる無年金者の救済目的、及び現役世代の年金制度への不安解消と加入促進の目的も含めて、平成24年の社会保障制度改革の中で10年へ短縮することがまとめられました。ただし、このときは消費税が10%になったらという条件付でした。ただ、現実には10%への消費税引き上げは幾度か見送られましたが、昨年、財源の目処がたったということで、この10年短縮が実施されることになりました。

この10年への短縮によって、新たに年金を受給できるようになるのは 老齢基礎年金で約40万人、老齢厚生年金も含めると約67万人以上になるといわれています。

仮に10年だけ保険料を納めたら老齢基礎年金はいくらになる?

今回、最低10年間、保険料納付期間や合算対象期間などがあれば、老齢年金を受給できるようになったわけですが、仮に10年間だけ保険料を納めた場合に受け取れる老齢基礎年金は、いくらになるでしょうか?

平成29年度の老齢基礎年金の満額(=40年間きっちり保険料を納めた場合の年金額)は779,300円です。これは40年保険料を納めた場合ですので、10年間しか納めていない場合は、単純にこの4分の1になりますので、

779,300円÷4=197,825円になります。これが年額ですので、月額に換算すると月16,235円になります。

もちろん、今までなら貰えなかったものが貰えるようになったわけですから、その点については良いのですが、この金額で老後の生活を賄うことは不可能です(厚生年金に加入したことがある方は、この金額に加えて老齢厚生年金が受給できる場合があります。老齢厚生年金の額は、厚生年金に加入していた期間とそのときの給与額によって変わってきます)。

今回の改正で受給できるようになった場合、手続きは?

では、今回の改正で新たに年金を受給できるようになった方は、どのように手続きをすれば良いのでしょうか?実は、今回の改正で対象になった方については、日本年金機構から以下のような封筒が自動的に送られてきているはずです。

そして、この封筒の中には、以下のような基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所及び年金加入記録があらかじめ印字された年金請求書が同封されています。

これが届いた方は、「ねんきんダイヤル」に電話をして、予約を取った上で、年金事務所で手続きを行うことになります。

こんな方にも年金受給のチャンスが!?

今回、年金の受給資格期間が10年に短縮されたことで、様々な方に年金受給のチャンスが出来たことになります。

例えば、今までずっと国民年金保険料を滞納してきた方です。現在、仮に50歳で今まで一度も厚生年金にも加入せず、国民年金保険料も滞納したいた方がいたとします。この方は、いままでの制度であれば50歳から保険料納め始めたとしても、50歳から60歳までの10年間と60歳から65歳までの任意加入で5年間納めても合計15年の保険料納期間しかありませんから、年金は受給できませんでしたが、今回の短縮で60歳まできちんと保険料を納めれば、65歳から年金が受給できるようになるわけです。

実は、今回の10年短縮は、このように、年金受給をすでにあきらめてしまっている方で保険料を滞納している方に対し、保険料納付をすこしでも促すという意味合いも含まれています。
また、現在、比較的若い方の国民年金保険料の納付率はかなり悪いですが、とりあえず10年納めれば、年金がもらえるのであれば、10年に達するまでは納めようと考える方も出てくるかもしれませんね。 

まとめ

今回の10年短縮により、確かに年金を受給しやすくなったのは確かです。特に、これまで10年以上納めていたけど25年には達していなかった方については、非常にありがたい改正になりました。
ただ、現状で10年に達していない方について、保険料納付を促進できるかどうかについては、どうれほどの効果があるか見極める必要があると思います。まだ、この制度は始まったばかりですので、今後の国民年金保険料の納付率にも注目していきたいと思います。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*