助成金の概要
長く失業状態にある人や転職を繰り返している人、あるいは、母子家庭のお母さんや生活保護受給者、または、未経験の仕事につきたいと思っている方などを、ハローワークからの紹介により、お試しで雇い入れた場合に、支給される助成金です。
助成金の中でも、かなり受給しやすい助成金です。
ハローワークから紹介される労働者を、原則として3ヶ月間、雇っていただいて、その間に、労働者の適性や仕事ぶりを判断していただき、本採用するかを決めていただきます。
もしろん、本採用にいたらなくてもトライアル雇用していただければ助成金は支給されます。
受給までの手続
①まずは、とにかく、ハローワークにトライアル雇用の受け入れOKの旨を伝えて、求人票をだしていただきます。
②要件に該当した方の中で、ハローワークが適当だと判断した方について、紹介されます(以前は、要件にさえ該当していればかなり幅広く紹介されていたようですが、現在は、かなり絞って紹介してるようです)
③ハローワークから紹介された方を雇い入れて頂きます。そして、雇用保険資格取得届を提出し、その方を雇用保険に加入させて頂きます。
④雇い入れてから2週間以内に、「トライアル雇用実施計画書」という書類をハローワーク等に提出して頂きます(この計画書には、雇い入れた労働者の署名が必要です)。
⑤トライアル雇用の3ヶ月が終了したときまたは、途中で本採用にいたった時は、その日から2ヶ月以内に「トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用奨励金支給申請書をハローワーク等へ提出します。その際、以前提出したトライアル雇用実施計画書の控や出勤簿、賃金台帳、労働契約書等もあわせて提出します。
⑤受給決定がおりたら助成金が振り込まれます。
受給できる額
1ヶ月あたり4万円ですので、最大の3ヶ月間利用した場合は、12万円となります。
仮に、1ヶ月に満たない月があっても、次のように日割り換算で支給されます。
次の式で計算した割合が75%以上の場合は全額(4万円)、50%以上75%未満のときは3万円、25%以上50%未満のときは2万円、25%未満のときは1万円(ただし、出勤がなければ当然0円です)。
受給できる事業主は?受給のポイント
どのような事業主が受給できるかについては、細かい点も多いので、ここでは、主なものについてみお伝えしておきます。
・まずは、ハローワークや地方運輸局、職業紹介事業者へ求人票をだして、そこから紹介された人を雇うことが重要です(求人雑誌等から応募してきた人は対象になりません)。
・紹介日以前に、雇い入れる約束をしていないこと(不正受給になるので絶対にやめてください。例えば、本当は求人雑誌をみて応募してきたのに、ハローワーク経由でもう一度応募してくるように言ってしまう方が見えるようです。)
・トライアル雇用した日の前6ヶ月間に事業主都合で解雇していないこと(助成金は基本的に事業主都合で解雇していると受給できない場合が多いです)。
・過去1年間に、以前その対象者を雇用していた事業主と資本的、経済的、組織的関連等から密接な関係にないこと(つまり、グループ会社や親族が行っている別会社に就職した場合は対象外です)
・労働保険料の滞納がないこと(意外とこれに該当されるかたがみえます)。
どういう労働者が対象となるか?
原則として以下のような方を雇い入れていただく必要があります。
①これまでに働いた経験のない職業に就くことを希望している方
②過去2年以内に2回以上転職を繰り返してる方で、長期勤務を希望している方
③直近1年を超えて失業している方(アルバイト等はしていてもOK)
④母子家庭の母、父子家庭の父、生活保護受給者、季節労働者、日雇労働者、住所喪失者、ホームレス等トライアル雇用の活用が必要と認められる方
⑤妊娠・出産等を理由に離職した方で1年を超えて職業に就いていない方
⑥学校を卒業して3年以内で安定した職業に就いていない方(アルバイト等はしていてもOK)
以上のような方ですが、おそらく最も多いのは、①の未経験者の採用だと思います。未経験者であれば広く対象となります。