嘱託社員と契約社員の違いは?

「嘱託社員」又は「嘱託職員」と呼ばれる労働者の方が最近増えてきています。「嘱託社員」や「嘱託職員」と呼ばれる方は、いったいどういった方を指すのでしょうか?この言葉自体は良く聞くけれど、どういった労働者のことを言うのか正確に答えられる方は少ないのではないでしょうか?

そこで、今回は、「嘱託社員」「嘱託職員」について、どういう方を指すのか、給与など待遇面はどうなのかなど解説していきたいと思います。会社の人事労務のご担当者だけでなく、現在、「嘱託」として働いてくれないかと言われている方にもお役に立てれば幸いです。

 

嘱託社員とは?

では、「嘱託社員」「嘱託職員」というのは、どういった方を言うのでしょうか?実は、法律上、例えば労働基準法等には、その定義が規定されているわけではありません。そのため、現状、各会社等によってその定義の仕方は異なっています。つまり明確な定義は無いことになります。

そのため「嘱託社員」といっても、各会社によってその労働条件、給与、昇格等は異なることになります。

ただ、ごく一般的には、以下のような方を「嘱託社員」「嘱託職員」と呼んでいます。

①自社を定年退職した後に再雇用する社員
②他社又は公務員等を定年退職又は希望退職等をした後に自社で雇用する社員
③弁護士、税理士、医者など特別な業務を依頼する場合 

現状としては、①が最も多いものと思われます。ちなみに③は嘱託社員と呼ぶ場合もありますが、雇用契約ではなく業務委託契約ですので、厳密にはその会社の「社員」や「職員」ではありません。

嘱託社員の労働条件、給与、待遇は?

では、嘱託社員の労働条件や給与、待遇面はどうなっているでしょうか?

これも各会社によってまちまちです。正社員と同じように無期契約を結ぶ場合もありますが、大半は、数ヶ月から1年程度の有期契約で雇用契約を結ぶ場合がほとんどです。つまり非正規ということになります。

労働時間いついても、それぞれですが、一般的には正社員と比べて短い場合が多いようです。中には、フルタイムで契約する場合もあります。

給与についても、もちろん人それぞれですが、基本的には、正社員よりも低い場合が多いです。先ほども書いたように、定年退職後に嘱託として契約する場合が多いので、定年前の給与よりもかなり下がることもめずらしくありません。仕事内容も全く違う仕事内容になることもあれば、定年前の仕事とほぼ同様という場合もあります(定年前と全く同じ仕事をしているのに、給与だけが下がったとして、過去、訴訟になったケースもあります)。

賞与については、寸志程度を支給する会社が多いようですが、きちんと査定して正社員に近い賞与を支給する会社もあるようです。

退職金については、ほぼ出ないケースが多いと思って頂いたほうがいいと思います。

契約社員との違いは?

先ほども書いたように嘱託社員も契約社員も法律上、定義されているわけではないので、どういった社員を嘱託社員と呼んで、どういった社員を契約社員と呼ぶかは会社の自由であるため、一概には言えませんが、一般的には、嘱託社員と契約社員は単純にその雇い入れの経緯が違うだけの場合が多いようです。

つまり、嘱託社員は、定年退職後などの社員を再雇用した場合に多く使用され、契約社員は、そういったケース以外で雇い入れられた期間を定められた社員と言えます。

どちらも、数ヶ月から1年程度の期間を定めて雇用され、給与や待遇面も正社員に比べて低く設定される場合がほとんどです。そういう意味では嘱託社員も契約社員の一種と言えます。

まとめ

何度も書いていますが、嘱託社員という言葉は、法律上定められているわけではありません。

そのため、各会社によって労働条件等についてはかなりばらつきがあります。

もし、あなたが、嘱託社員への採用に対して応募するのであれば、面接等で、労働条件等について詳細を確認しておいたほうが良いでしょう。実際に、嘱託社員として採用された後に「こんな仕事内容だとは思わなかった」「こんな低い給与になるとは思わなかった」となるケースも少なくありません。そのようにならないように、事前にしっかり確認しましょう。

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