社労士解説 雇用険被保険者資格取得届の記入例と詳細解説

今回は、会社の社会保険担当者の方向けに「雇用保険被保険者資格取得届」の詳細な書き方を記入例と共に解説したいと思います。
雇用保険被保険者資格取得届はそれほど難しい書式ではありませんが、一部、迷う箇所もあるかもしれません。ぜひ、初めての方や久しぶりに手続きを担当される方は参考にしていただければ幸いです。

  

 

雇用保険被保険者資格取得届退の記入の仕方(記入例)の解説

雇用保険被保険者資格取得届の全体は、以下のようになっています。

雇用保険被保険者資格取得届

(クリック・タップで拡大できます)

では、上から順番に記入例と共に解説していきたいと思います。

個人番号

雇用保険被保険者資格取得届の「1.」は、個人番号ですので雇用保険に加入される方のマイナンバーを記入します。
以前は、必要ありませんでしたが、今は記入する必要がありますので、その対象の方のマイナンバーを確認して記入しましょう。

雇用保険被保険者番号

続いて「2.」は、その方の雇用保険被保険者番号を記入します。入社時に、本人から雇用保険被保険者証か離職票を預かっている場合は、そこに記載してある雇用保険被保険者番号をそそまま記入します。もし、本人が過去に他の会社で雇用保険に加入していたにも関わらず、雇用保険被保険者証や離職票を持っていなかった場合は、用紙の最後にある「備考欄」に過去に加入していた会社の会社名と加入期間を記入し、ここは空欄にしておきます。
「3.」の取得区分は、過去に雇用保険に加入したことがあれば「2」の再取得を記入し、今回が初めて雇用保険に加入する場合や過去に雇用保険に加入していたのが7年以上前の場合は「1」の新規を記入します。「1」を選択すると新たに雇用保険被保険者番号が発行されます。

「4.」は、加入される方の氏名を記入します。最初の枠には漢字で氏名を書き、隣にはフリガナを書きます。フリガナの場合、濁点は一文字とします。また、姓と名の間は1マス空けます。外国人の場合は、漢字がないのですべてカタカナで構いません。
「5.」は、最後に加入した雇用保険の被保険者証の名前と現在の名前が違う場合に使用しますが、「4.」に現在の名前を記入しても基本的には、通るはずです(ハローワークから確認の電話がかかる可能背はあります)。
ですので、基本的に使用しなくても結構です。

「6.」は性別ですので、男性は「1」を女性は「2」を記入します。
「7.」は加入される方の生年月日を記入します。一番左は元号ですので、昭和生まれは「3」、平成生まれは「4」を記入します。現時点で令和生まれで雇用保険に加入する方はいないのでまだ令和はありません。
「8.」は事業所番号を記入します。
事業所番号は、会社自体が最初に雇用保険に加入した際に、ハローワークから渡される「雇用保険適用事業所設置届事業主控」に記載されています。もし、古すぎて無いという方は、直近の雇用保険に加入された方の雇用保険被保険者資格取得確認通知書や辞めた方の離職票の事業主控などにも記載があるので確認してください。どうしても分からなければ管轄のハローワークに確認してください。

「9.」は雇用保険に加入することになった原因を書きます。
通常、ほとんどの方は「2」を記入すればOKです。ただし、高校や大学、専門学校を卒業してすぐ就職した場合は「1」を日雇いだった方を通常の雇用形態にした場合は、「3」を、65歳以上の方を新たに雇用した場合は、「4」を、65歳以上で出向していた方が、元の会社に戻った場合は「8」を記入します。
パートや有期の方もすべて「2」で大丈夫です。
「10.」は賃金を書きます。一番左の枠は月給制の方は「1」を週給制の方は「2」を日給制の方は「3」を時間給のかたは「4」を記入します。
ちなみに最も多いであろう日給月給の方は「1」で大丈夫です。
その隣は、月額の給与額を記入します。日給や時間給の方であっても、月給に直して記入します。例えば時給1000円で1日6時間、月に平均21日勤務される方であれば1000円×6時間×21日=126,000円になるので左から「0126」と記載します。
「11.」は。雇用保険に加入する日を記入します。一般的には入社日になるはずですが、例えばパートの方が今まで週20時間未満で勤務していて、それが契約変更で週20時間以上になった場合は、その契約変更日が加入日になります。
「12.」は、雇用形態を記入します。日雇いの方は「1」、登録型の派遣のかたは「2」、週30時間未満のパートの方は「3」、雇用契約期間が定めてある方(いわゆる有期契約の方)は「4」(ただし、上記の2や3の方は除く)。「5」は季節的雇用(海の家など夏の期間のみの雇用など)の方、「6」は船員の方、「7」は上記以外の方すべてなので、正社員の方や週30時間以上のパートの方、常用雇用型の派遣の方はすべて「7」になります。
「13.」は、その方の職種になります。雇用保険資格取得届の裏面に区分が記載されていますので、厳密に考える必要はなく、その中で一番近いものを選択すればOKです。
「14.」は、就職に至った経緯を選択します。ハローワークからの紹介の場合は「1」、就職雑誌等を経由したや知り合いの紹介の場合は「2」、民間の職業紹介会社を経由した場合は「3」、よくわからない場合は「4」でOKです。
「15.」は週の所定労働時間を記入します。一般的な正社員のであれば「40時間」になると思います。パートの方は、一般的な週の所定労働時間を記入します。例えば、1日8時間で月、水、金の勤務であれば、24時間00分で記入します。週によって所定労働時間がバラバラの場合は、平均値を出して記載してください。

「16.」は、契約期間の定めについてです。一般的な正社員の方は無期雇用なので、一番左に「2」を記入すれば、あとは空欄でOKです。
労働契約書に契約期間が定めてある方については一番左に「1」を記入し、契約期間をその右の欄に記入します。
その労働契約書に、雇用契約期間が到来したら契約を更新する旨の記載があれば、契約更新条項の有無の欄には「1」を、記載がない場合、又は契約を更新しない旨の記載がある場合は「2」を記入します。
「事業所名」は会社名をそのまま記入すればOKです。「備考」欄は、最初のほうにも書きましたが、その方の雇用保険被保険者番号がわからない場合に、雇用保険に加入していた時の職歴を記載します。履歴書を添付する形でもOKです。

「17.」から「22.」欄は外国人の場合に記入します。外国人であっても特別永住者は記入の必要はありません。
「17」はその外国人労働者のアルファベット表記を記入します。外国人を雇用する場合、必ず在留カードを確認しなければならないので、名前のアルファベット表記、「18」の国籍・地域、「19」の在留資格、「20」の在留期間、「21」の資格外活動許可については、すべて在留カードを見ながら記載します。「22」は、その外国人労働者が、派遣や請負として、その会社の住所ではなく、違う会社の住所の工場等で働く場合に「1」を記入します。それ以外は「2」でOKです。

最後に、会社の住所、会社名、代表者の氏名、電話番号を書いて、代表印(登録印)を押して完了です。

まとめ

今回は雇用保険被保険者資格取得届の書き方を記入例とともにご紹介しました。ちなみに、申請自体は、郵送でも可能なので、お忙しい方は、特定記録郵便分の切手を貼った返信用封筒を同封して、管轄のハローワークの適用課へ郵送してください。

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