「額面」と「手取り額」の違いを正確に理解していますか?
よく、お給料の話になると、「手取り額はいくら?」とか、「年収は500万円です」と言うと、「それって、手取り額?それとも額面?」といった会話がなされるときがあります。では、額面と手取り額の違いについては、ご存知でしょうか?
もちろんご存知の方も多いとは思いますが、今回は、この「額面」と「手取り額」の違いについて、あらためて解説していきたいと思います。また、額面が○円の場合の手取り額はいくらになるのか、数パターンを実際に計算してご紹介したいと思います。
額面とは、給与明細の総支給額!
基本的に「額面」とは、給与明細の「総支給額」の金額のことを指します。そのため、基本給、家族手当や住宅手当などの各種手当、残業代、歩合給、交通費など全てを合計した金額で、社会保険料や税金などが引かれる前の状態になります。
求人誌やハローワークの求人データに書かれている「月収○万円保証」や「年収○万円」などの金額は、基本的に、この「額面」金額のことを指します。
つまり、ここから税金や社会保険料が引かれるので実際に振り込まれる金額は、この金額よりも低くなることになります。
手取りとは、給与明細の差引支給額!
一方、「手取り額」は、給与明細で言うと、「差引支給額」の金額のことを言います。要するに、実際に振り込まれる金額(実際に使うことが出来る金額)のことですね。「額面」金額から、税金、社会保険料、組合費などが引かれた後の金額が「手取り額」になります。
額面と手取り額を事例で解説
額面30万円(うち交通費1万円)、東京都30歳独身、扶養家族なしの場合
上記の場合、まず平成29年9月現在の社会保険料は、健康保険料14,865円、厚生年金保険料27,450円 雇用保険料900円で社会保険料合計は43,215円、所得税は、6,420円、住民税12,700円(住民税は人によって変わりますのでモデルケースになります)で社会保険料と合わせた控除額は62,335円となります。よって手取り額は237,665円となります。
だいたい、一般的に手取り額は、額面の8割程度と言われているので、そのとおりになります。
額面50万円(うち交通費1万円)、東京都45歳、扶養家族2人の場合
上記の場合、平成29年9月現在の社会保険料は、健康保険料24,775円、介護保険料4,125円、厚生年金保険料45,750円 雇用保険料1,500円で社会保険料合計は76,150円、所得税は、11,260円、住民税25,800円(住民税は人によって変わりますのでモデルケースになります)で社会保険料と合わせた控除額は113,210円となります。よって手取り額は386,790円となります。
まとめ
転職や就職の際にその新しい会社から提示される、月収や年収は、基本的に「額面」金額になります。一方、生活に必要なお金は「手取り額」で判断する必要があります。提示された「額面」金額を0.8で割った金額がだいたいの手取り額になりますので、その金額で自分が考えている生活費が捻出できるかどうかの目安にしてはいかがでしょうか?