離職票が届かない!そんな時の対処法

最近、労働者の方からのご相談の中で多いのが「会社を辞めたけど、離職票が送られてこないのですが・・・」というものです。 一般的には、離職票は、会社を辞めてから1週間から2週間程度で送られてきます。ただ、特に中小企業の場合は、送られてくるまでに1ケ月以上かかる場合もあるようです。 失業給付を受給するためには、原則として離職票が必要なので、離職票が送られてこないと失業給付の申請ができないため、あまりに遅れてしまうと、本来受給できる額の失業給付が受給できない可能性も出てきますので、あまりに送られてこない場合は。早めに対処することが重要です。

 

  

あらためて解説!離職票って何?

離職票は、正式には「雇用保険被保険者離職票」と言います。そして、離職票は。「離職票-1」と「離職票-2」があり、雇用保険の失業給付を受給するためには、必ず両方必要なので、万が一、会社からどちらか1枚しか貰っていない場合は、会社に問い合わせましょう。 離職票-1は以下のような書類で、会社が通常申請で行ている場合は、少し厚手の紙になります。会社(または会社が委託している社会保険労務士)が電子申請で行っている場合は、一般的なA4用紙になります。

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離職票-2は以下のような書類で、退職前1年間の勤務日数や退職前6ケ月間の給与の月ごとの総支給額などが記載されています。金額などが間違ってないかしっかり確認しましょう。また、退職理由もこの離職票-2のほうに書かれているのでしっかり確認してください。特に、本当は「解雇」されたはずなのに、「自己都合退職」になっている場合は、給付制限期間や給付日数に影響が出ますので、もし違っている場合は、その旨をハローワークに伝えてください。

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離職票が届くまでの通常の流れ

(1)退職届を会社に提出する

当然といえば当然ですが、まずは、会社に退職の意思表示をします。書面で退職届を出さねければならないのが通常ですが、口頭でもOKという会社もあるようです。

いつまでに退職の意思表示をしなければならないかについては、原則としては会社の就業規則に従います。通常、「退職日の1ヶ月以上前に」と規定している会社が多いと思います(仮に2週間前に意思表示をしても法律上は認めれます)。就業規則等がない会社の場合は2週間前までに会社に伝えましょう。

(2)会社に離職票が必要な旨を伝える

離職票は、退職時点で59歳以上の方以外は、基本的に離職票の交付希望を会社に伝えないと発行してもらえないケースが多いです(会社によっては交付希望の有無に関係なく発行する会社もあります)。ですから、上記の退職届を提出するタイミングでもよいですし、その後でもいいので、必ず会社に「離職票の発行をお願いします」と伝えてください。

あたりまえの話ですが、雇用保険に加入していない場合は、離職票は発行されません。と言うか発行できません。もし、自分が雇用保険に入っているかどうかわからない方は、給与明細の控除欄の「雇用保険料」のところに数字が入っているかどうかで判断してみてください。もし、そこに数字が入っていなくても週20時間以上働いている方は、本来、雇用保険に加入しなければならない方なので、一度、ハローワークで相談してください。

(3)退職日の翌日以降、会社がハローワークで離職票の発行手続きを行う

会社は、あなたの退職日が過ぎてから、ハローワークに出向き、離職票の発行手続きをとります。残念ながら、退職日前にこの手続きをとることはできないため、退職日を過ぎてから会社の事務担当者が、ハローワークに行けるときに行って手続きをとります。そのため、退職日の翌日に、離職票が手に入ることはまずないと思ってください。

担当者がどのタイミングでハローワークに行けるかによりますので、通常、2週間程度は待つことになります。

(4)会社が発行手続きを完了したら離職票が送られてくる

上記のように会社の担当者がハローワークで離職票の発行手続きが完了したら、その後、郵送等で離職票が送られてくると思います(中には、会社まで取りに来いという横暴な会社もあるようですが、必ずしも従う必要はありません)。

離職票届かない場合の対応

上記で説明したように、通常でも離職票の発行までには2週間程度かかりますので、まずは、退職から2週間程度待ってみて、届かない場合は、再度、会社に電話してみましょう。
担当者が手続きを忘れてしまっている場合もあるので、再度、「どうなってますか?」と確認してください。もし、担当者が単に忘れていただけであれば、「至急発行してください」と伝えて、1週間ほど待ってみましょう。
担当者が単に忘れていたのではなく、そもそも会社に発行する意思がない場合というのもあります(嫌がらせのために発行しないとか、手続きの仕方がわからないとかなど)。その場合は、待っていても発行されませんので、直接、管轄のハローワークに出向き、「会社に離職票の発行希望を出したのに、送ってきてくれない」と伝えましょう。
そうすると、ハローワークから直接、会社のほうに電話してくて、発行するように注意してくれます。あとは、ハローワークに任せましょう(このときのハローワークの担当者の名前は必ずメモしてください)。
こういった対応をとれば、ほとんどの会社は離職票を発行してくれます。それでも、届かない場合は、ハローワークの先ほど担当者に連絡し、相談してみてください。最悪の場合、ハローワークが職権で発行してくれることもあります。 

まとめ

如何でしたでしょうか?最近は、以前にくらべて離職票が発行されないというトラブルは少なくなったように思います。離職票が送られてこない場合、担当者が単純に忘れていたか、あまりに忙しすぎてハローワークに行く時間がないというケースが多く、ほとんどの場合、一度、催促すれば送られてくるケースがほとんどです。

しかし、本当にまれに、退職者への嫌がらせのために、わざと離職票を発行しないという会社も存在します。退職の時にいわゆる「揉めて」辞めた場合などにこういったことが起こります。退職した状況がどうであれ、会社には法律上、退職者が希望すれば離職票を発行する「義務」がありますので、臆せず会社に請求しましょう。

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