退職後、短い空白期間がある場合の国民健康保険の手続きって?
新しい仕事への転職が決まり、ワクワクしている方も多いのではないでしょうか。しかし、退職日から次の会社の入社日まで、数日〜数週間という短い空白期間がある場合、「この間の健康保険ってどうすればいいんだろう?」と不安になるかもしれません。
「すぐに新しい会社の保険に入るし、手続きは不要なのでは?」と思うかもしれませんが、実はそうはいきません。退職して健康保険の資格を失った日から、新しい会社の健康保険に加入するまでの間は、原則として国民健康保険に加入する必要があります。無保険状態を避け、万が一に備えるためにも、適切な手続きを理解しておくことが非常に大切です。
なぜ短い空白期間でも国民健康保険に加入する必要があるの?
「たった数日なのに、わざわざ手続きをして保険料を払うのはもったいない」と感じるかもしれません。しかし、この数日間に、予期せぬ病気やケガで病院にかかる可能性はゼロではありません。もし無保険の状態で医療機関を受診した場合、治療にかかった費用は全額(10割)自己負担となります。
例えば、急な発熱で数万円の診察料や薬代がかかったり、思わぬケガで手術が必要になったりした場合、莫大な医療費を自分で支払わなければならないリスクがあります。国民健康保険に加入していれば、通常通り医療費の自己負担は3割で済みます。万が一のリスクに備え、安心して空白期間を過ごすためにも、国民健康保険への加入を強くお勧めします。
国民健康保険への加入手続きの流れ
手続きは、お住まいの市区町村の役所(役場)で行います。期限は、原則としては、健康保険の資格を喪失した日(退職日の翌日)から14日以内です。この期間を過ぎてしまうと、保険料の支払い義務はさかのぼって発生しますが、手続きが遅れることで無保険期間が生じてしまいますので、速やかに行いましょう。
【主な必要書類(一例)】
- 健康保険資格喪失証明書(連絡票):退職した会社が発行する書類です。離職票の発行と同時に会社に依頼しておくとよいでしょう。
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの公的な証明書。
- マイナンバー確認書類:マイナンバーカードや通知カードなど。
※自治体によって必要書類が異なる場合がありますので、必ず事前に役所のウェブサイトで確認するか、電話で問い合わせておくと、スムーズに手続きが進みます。
短い空白期間の場合、保険料は発生しないことも?
国民健康保険料は、原則として加入した「月単位」で計算されます。つまり、月末日時点で国民健康保険に加入していなければ、その月の保険料は発生しない、というケースが考えられます。
例えば、8月15日に退職し、8月25日に次の会社に入社する場合、8月31日時点ではすでに国民健康保険を脱退しているため、8月分の保険料はかからない可能性があります。
ただし、これはあくまで一例です。保険料の計算方法は自治体によって異なるため、必ずお住まいの市区町村に確認するようにしましょう。また、たとえ保険料が発生しなくても、万が一に備えて無保険期間を作らないための手続きは重要です。
新しい会社に入社したら…
新しい会社の健康保険に加入したら、今度は国民健康保険の脱退手続きが必要です。新しい会社での社会保険の加入手続きが完了したらマイナ保険証(又は資格確認書)をもって市区町村の役所へ行き、手続きをしましょう。
脱退手続きを忘れると、国民健康保険料が引き続き請求されてしまう可能性があります。二重払いにならないためにも、必ず手続きを行ってください。

まとめ:短い空白期間を安心して過ごすために
退職から入社までの短い期間でも、健康保険の手続きは非常に重要です。
- 退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村役所で国民健康保険への加入手続きを行う。
- 手続きには原則としては健康保険資格喪失証明書(連絡票)が必要。
- 新しい会社の健康保険に加入したら、速やかに国民健康保険の脱退手続きを行う。
これらの手順をしっかり押さえておけば、空白期間中も安心して過ごすことができます。ご自身の健康と安全のためにも、適切な手続きを心がけましょう。