医療費控除の基礎知識|対象になるもの、ならないもの

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

今回は「医療費控除」についてです。医療費控除という言葉自体は、お聞きになったことがある方も多いとは思いますが、その中身については詳しくは分からないという方が多いのではないでしょうか?そこで、今回は医療費控除について、その基本的な内容と、どういったものが医療費控除の対象になるのか?例えば、病院に行く際の交通費は対象になるのか?とかレーシックやインプラント治療も対象になるのか?とか、人間ドックの費用はどうか?など医療費控除の対象となるのかならないのかを中心に解説していきたいと思います。

 

医療費控除でいくらくらい控除されるのか?

医療費控除とは簡単に言うと、その年にかかった医療費の一部について、配偶者控除や社会保険料控除と同じように、所得から指し引くことです。これを行うことにより、医療費控除を行わなかった場合に比べて、所得税等が安くなることになります。

簡単に言うと「病気でたくさんお金がかかって大変だろうから、その分、税金を少なくしますね」ということです。

この医療費控除は、自営業者など毎年、確定申告を行っている方のみが対象というわけではなく、サラリーマンの方も確定申告することにより、所得税が一部返ってくることになりますので、もし、入院や手術などである程度の医療費がかかった場合は、是非、その翌年に確定申告をして医療費控除を申請し、所得税の還付を受けてください。

また、医療費控除の対象になるのは、自分のためにかかった医療費だけでなく、基本的に扶養している配偶者や子供、親の分(生計を同一にしている家族の分)も併せて申告できるので、家族全員分の病院や薬局での領収書等は必ず取っておきましょう。

では、いくらくらい控除されるかですが、

医療費控除できる額は、次の計算式で計算した金額になります(但し、最高で200万円までになります)。

医療費控除の額=実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額※-10万円(所得が200万円未満の方は所得の5%)

※保険金などで補填される金額とは、基本的に以下のものになります。

・民間の生命保険や医療保険・がん保険・損害保険等から支払われた保険金
・健康保険から支給される高額療養費(高額療養費についてはこちらで詳しく解説しています)
・健康保険からでる出産育児一時金(出産育児一時金についてはこちらで詳しく解説しています)
・例えば、交通事故などで相手方がいる場合でその相手から受け取る賠償金等

最後に10万円又は所得金額の5%のどいちらか低いほうを引くのですが、所得が200万円以上のかたは一律10万円になります。例えば所得が100万円の方は5万円を差し引きことになります。
要するにかかった医療費が最低この額以上でないと医療費控除は受けられないことになります。

少し具体例を上げて計算してみましょう。

Aさん(年収600万円)は、投薬治療のため約1ヶ月ほど入院しました。手術はしていません。そのときにかかった医療費は合計で50万円ほどでした。しかし、高額療養費と入っていた生命保険の給付金で約45万円ほどのお金が入ってきました。
Aさんの場合50万円-45万円=5万円で10万円を超えていないので、医療費控除は「0」となります。
このように、結構、高額な給付金がある生命保険や医療保険に入っていると、高額療養費と合わせると、医療費控除が0になるケースも少なくありません。

Bさん家族は、入院こそしていませんが、家族全員が代わる代わる数ヶ月にわたり風邪にかかり、何日も病院に通院したり、そのほかにも歯科医に通院したりして、年間で20万円の医療費がかかりました。年間を通して医療費がかかったため、高額療養費の対象にもならず、生命保険等からの給付もなかったので、
Bさん家族の場合は20万円-10万円=10万円が医療費控除の対象になります。

 医療費控除の対象になるものとならないもの

○対象になるもの

・一般的な病院や歯科医での診療代、治療代

・上記の診察や治療に伴う薬代、通院するための電車・バス代

・入院の際の通常の部屋代や食事代

・治療を受けるために必要と判断された義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用

・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による治療代(治療に直接関係無いものはダメ)

・妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、また、通院費用及び入院費用

・病気や怪我により約6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(ただし医師の「おむつ使用証明書」が必要)

・風邪をひいたときなどでドラッグストアーでのカゼ薬などの購入代金、怪我をしたときの絆創膏、ガーゼ、消毒液なども対象にはなりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は対象にはなりません。

・歯科治療に関しては、保険適用のものはもちろん対象になりますが、保険のきかない自由診療のものであまりにも高額のものは基本的に対象になりません。

・入院時の付添人の費用

・レーシック手術

・欠損歯の治療を目的とするインプラントは対象だが、単に美容目的のものは対象外

など、上記はあくまで主なものの一例ですので、他にも対象になるものはあります。

×対象にならないもの

・健康の増進を目的としたサプリメントや漢方薬、市販の医薬品など

・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術のうち、疲れを癒したり、体調を整える目的で行ったもの

・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金

・人間ドックなど健康診断の費用(ただし重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合は対象)

・医師等への謝礼金

・医師の指示に基づかない入院時の個室代(差額ベット代)

・入院時に病院から出される食事以外の出前などの食事代

・入院時の寝巻きや洗面具などの身の回り品の購入費

・実家で出産するために実家に帰省する交通費

・予防摂取などの費用

・美容整形

など

上記のように、なるものならないもの様々ですが、中には、なかなか判断が難しいものもあります。例えば、治療目的でのコンタクトレンズやメガネ代は対象ですが、治療目的でないコンタクトレンズやメガネ代は対象外です。判断が難しい合は、税務署等に確認したほうが無難です。 

まとめ

医療費控除は、面倒だからいままでやってこなかったという人も多いと思います。しかし、意外と思っても見なかったものが医療費控除の対象になるものもあるんだと感じた方も多いのではないでしょうか?

医療費控除は5年分までは遡っての申告も可能なので、もし、領収書等が残っているのであれば、一度、次回の確定申告でチャレンジしてみては如何でしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*