いい加減にしてほしい。雇用調整助成金その2
4月26日に投稿した「いい加減にしてほしい。雇用調整助成金」の続きになります。
前回の投稿から2日しかたっていませんので、状況はほとんどかわりません。
個人的には、25日の政府発表がさらなる混乱を与えてしまっていると感じています。
ようやくマスコミが取り上げ始める
今日(4/28)の夜のニュースでもようやく雇用調整助成金の現状が問題になっていることが取り上げられました。
相談件数は約20万件に対し、支給されたのは0.1%だそうです。相談件数20万件となっていますが、これは、あくまで相談に応じられた件数です。
実際には、電話しても繋がらず、窓口に行っても3時間から4時間待ちなので、相談自体を断念する方が、この2~5倍くらいはいるのではないでしょうか。
また、菅官房長官が、雇用調整助成金は申請から1ヶ月で支給するように指示しているいと言っていましたが、現状を本当に知っていたら、絶対に無理だとわかるはずです。
実際、労働局の方も1ヶ月では絶対に無理と話しています。
しかも、本格的な、申請が始まるのは5月以降です。これは4月分の休業を5月の給与支給後に申請を行う会社が多いためです。
来月に入れば、相談件数はもっと増えることになるでしょう。さらに状況が悪化することになります。
26日の投稿でも書きましたが、政府は、この期に及んで申請方法や書類を変えるのではなく、国民へのアピールのために「10割助成」を打ち出してきました。
もちろんこの「10割助成」は単にアピールしたいだけなので、実態をよくわかっている方であれば、これがほとんど意味のない拡充案であることが分かると思います。
意味がないどころか、これににより、またまた書類が変更になり(もう何度変更になったか覚えてませんが)、添付書類も変更になり、さらに混乱を招くだけです(おそらく古い書式を使う方も出てくると思います)。
何度も書いていますが、いくら拡充を行っても申請書類が複雑すぎるのと、労働局やハローワークの処理能力をはるかに超えて相談や申請が来ている状況では、何の解決にもなりません。
解決するためには、書類を極めて簡略化する必要があります。申請書1枚と賃金台帳又は給与明細だけで申請が行えるようにしないと無理です。
また、助成金申請だと、企業側がそもそも躊躇することが考えられるため、やはり、いろんなところでもすでに言われていますが、東日本大震災の時に適用した「みなし失業」を今回も制度化して、個人が直接、失業給付を受給できるようにし、コロナウイルスが収束してから復職できるような制度を設けるべきではないでしょうか。
とにかく、もう悠長なことを言っていられる状況ではありません。早く何とかしないと倒産する会社が爆発的に増えてしまいます。
雇用調整助成金の拡充はもういいので、制度の抜本的な改革をすみやかにお願いしたいところです。