断続的勤務に割増賃金は不要か?

今回は、少し特殊な内容なので、興味のない方は読み飛ばしてください。
今回も顧問先さんからのご相談内容です。ご相談内容は次の通り、
「監視・断続的業務の場合は、割増賃金を支払う必要が無いと聞いたけど本当か?」
というものでした。監視・断続的業務とは、どういったものを指すのか、そして、本当にこれらの業務従事者が時間外労働を行ったとしても割増賃金の支払いが必要ないのかを解説したいと思います。

  

監視・断続的業務とは?

監視・断続的業務とはどういった業務を指すのでしょうか。あまり聞いたことがない言葉だと思いますが、監視業務とは、「監視」することを主な業務とし、かつ、常態として身体的にも精神的にも緊張の少ない業務のことを指します。具体的には、建物の守衛さんなどが該当します(他の例として「踏切番」と書かれている書籍等がありますが、現代においては踏切番という業務はほぼ無いと思います)。
あくまで緊張の少ないものが対象なので、交通関係の監視や車両誘導も行う駐車場の監視員、工場設備等で計器類を常に注意深く監視する業務、危険又は有害な場所で行われる監視業務は、緊張が高い業務のため対象にはなりません。
次に断続的業務ですが、一般的には、手待ち時間(何も労働をしない時間)が多い業務を指します。
具体的には、
・学校の用務員
・会社の役員などの専属の運転手
・団地等の管理人
などが該当します。ただし、上記の業務だとしても、実労働が多い場合や危険や緊張感が高い場合は、断続的業務とは言えません。

監視・断続的業務に割増賃金は不要か?

では、本題の監視・断続的業務に対して、割増賃金は不要なのでしょうか?

答えとしては、その業務が監視・断続的業務に該当しているのであれば、時間外労働、休日労働にに対する割増賃金は不要です。ただし、深夜業務に対する割増賃金は必要なので注意が必要です。

この取扱は、管理監督者に対するものと同様となります。つまり、労働基準法で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定については、適用除外となります。そのため、この部分の割増賃金は不要ということになります。ただ、深夜業務に関する規定については、適用除外にはなっていないので、深夜割増については支払いの必要があるということになります。

また、監視・断続的業務に対して、時間外・休日割増賃金を支払わないようにするためには、先に労働基準監督署長の「許可」が必要となりますので注意が必要です。管理監督者の場合は、労働基準監督署長の許可は必要ありませんが、監視・断続的業務の場合は、必要となります。この許可を得ずに、時間外や休日に労働させた場合は、割増賃金の支払いが必要となります。

労働基準監督署長の許可を取得するためには、以下の書類の提出が必要です。

①監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書(様式第14号)

②対象労働者の労働の態様が分かる資料
・所定労働時間内におけるタイムスケジュール
・対象業務の業務マニュアル、作業規定、業務日報等
・巡回の業務がある場合は、巡回経路を示す図面

③対象労働者の労働条件が分かる資料
・労働条件通知書または労働契約書等の写し

まとめ

監視・断続的業務で、時間外・休日の割増賃金を支払わないようにするためには、「労働基準監督署長の許可」を取る必要があるという点が最大のポイントかと思います。この許可を得ずに、割増賃金の支払いをしていな企業もあるようですが、完全に労働基準法違反となりますので、必ず許可を取るようにしてください。
特に警備会社や不動産会社等ではこういった業務の取扱があると思いますので、ご注意ください。

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