雇用保険・健康・介護保険・厚生年金の加入上限年齢まとめ

今回は、雇用保険、健康保険、介護保険、厚生年金保険は、何歳まで加入しなければならないか、その上限年齢についてまとめていきたいと思います。

というのも、最近、この加入の上限年齢についてのご質問がとても増えてきています。その背景として、人手不足のため、比較的若い方の採用が難しくなってきており、大企業でも中小企業でも最近は、いわゆる高齢者の採用を積極的におこなうようになったためだと思われます。

60歳代や70歳代の方を採用する際に、各社会保険に加入させるのかどうなのか、間違わないために、今一度、各保険の加入上限年齢をまとめていきます。

 

 

雇用保険の加入上限年齢

それでは、まず、雇用保険の加入上限年齢について解説していきたいと思います。

現在、雇用保険に加入できる上限年齢はありません。つまり、70歳だろうと80歳だろうと100歳であろうと、その他の雇用保険の加入条件に該当していれば、加入できることになります。ちなみにその他の加入条件とは、

①1週間の所定労働時間が週20時間以上

②引き続き31日以上雇用することが見込まれること

です。これらに該当する方は、全員が雇用保険の被保険者になることになります。

平成28年12月31日までは、雇用保険の加入上限年齢は「65歳」に設定されていましたが、法改正により平成29年1月1日からは、上限年齢が撤廃されました(従来の制度でも65歳前から雇用保険に加入していた方でその会社で65歳になった方は引き続き雇用保険の被保険者(高年齢継続被保険者といいます)となっていましたが、新たに雇入れる方が65歳を超えている場合は雇用保険に加入できませんでした)。

ただ、新制度において65歳以上の雇用保険の被保険者の方については、平成32年3月分までは、保険料が全額免除になります。これは、被保険者分だけでなく事業主負担分も免除になります。

また、被保険者になるのは平成29年1月1日以降に新たに雇入れた65歳以上の方だけでなく、平成28年12月末までに雇入れてたかたで、すでに65歳を超えている方も平成29年1月1日からは被保険者になるので、届出をしていない方は、早急に手続をする必要があります。

健康保険の加入上限年齢

健康保険の加入上限年齢は「74歳(75歳になるまで)」です。これは、75歳以上の方の医療保険は「後期高齢者医療制度」へ移行するためです。そのため、会社の健康保険に加入している従業員の方(または役員の方)は、75歳になったら、健康保険の資格喪失届を提出し、それまで使っていた健康保険証及び高齢受給者証を返納しなければなりません。

ここで注意していただきたいのは、被扶養者の方の取り扱いです。
例えば、会社役員の夫が会社で健康保険に加入していて、その奥さんは被扶養者として同じ健康保険に加入していました。妻は夫よりも5歳年下だとします。今回、この夫が75歳になり、健康保険の資格は喪失し、後期高齢者医療制度へ移行しました。この場合、妻はどうなるでしょうか?

夫の資格が喪失している以上、妻の被扶養者としての資格も同時に喪失することになります。夫は、後期高齢者医療制度に移行するのでいいですが、妻は、ご自身で、市区町村の「国民健康保険」へ加入する必要がでてきますので、注意してください。そのあと、妻が75歳になったら妻も高貴高齢者医療制度へ移行します。

では、年齢が逆の場合は、どうでしょうか?上記の場合で、妻のほうが夫よりも5歳年上だったとします。この場合は、単純に、妻が75歳になったときに、妻のみが後期高齢者医療制度に移行するため、妻のみ被扶養者としての資格を喪失します。

介護保険の加入上限年齢

介護保険については、加入上限年齢というものはありませんが、会社で健康保険に加入している方の介護保険料の徴収については注意が必要です。介護保険は40歳から加入なので、会社に勤めている方は、40歳になると給与から介護保険料が天引きされるようになります。そして、そのまま65歳になると、介護保険料については給与からの天引きではなく、原則として、受給する年金からの天引きになります(年金が少ない、あるいは貰えない方については、直接、市区町村に納めます)。

よくある給与計算の間違いとして、65歳以降も間違って、給与から介護保険料を天引きしてしまっているケースがよくみられます。65歳になったら、介護保険料が天引きされていないか、給与明細で確認するようにしてください。

厚生年金保険の加入上限年齢

厚生年金の加入上限年齢は、ズバリ「69歳(70歳になるまで)」です。70歳になったら資格喪失手続を行わなければなりません。本来、会社員の場合、健康保険と厚生年金はセットなので、どちらか一方のみ加入することはできないのですが、厚生年金の加入上限年齢は「69歳(70歳になるまで)」、健康保険の加入上限年齢は「74歳(75歳になるまで)」なので70歳から74歳(75歳になるまで)の間については、健康保険のみ加入するという状態になります。もちろん、保険料も健康保険保険料のみが給与から天引きされることになります。

 

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