改正労働者派遣法2015 ポイントまとめ その3

d89ac4089f92bf7044275b3bea364859_s前回は派遣できる期間の制限についてでした。

今回は、派遣元事業者が行わなければならない事項についてです。

雇用安定措置の実施

前回の記事で、個人単位で派遣先へ派遣できる期間の上限は3年と書きましたが、この3年を経過した場合、派遣元事業主は、その派遣労働者に対して、以下のいずれかのことを行わなければならなくなりました。
①3年間働いてきたその派遣先へ、その派遣労働者を直接雇用してもらうように依頼する。
②新たな派遣先への派遣
③派遣元で派遣労働者以外として無期雇用
④その他、雇用を維持したまま教育訓練を行ったり、紹介予定派遣を実施するなど

①が実現出来なかった場合は、②から④を実施する必要があります。

つまり、3年間派遣労働者として働いてきた方については、たとえ労働契約の期間が満了しても、なんとか雇用の維持をはかってくださいね、簡単に辞めさせてはいけませんよということです。実務的にどこまで実行力が発揮されるか疑問ですが、まだ、細かい点が発表されていないので、今後の情報を待ちたいと思います。

 

キャリアアップ措置の実施

派遣元事業主は、派遣労働者のキャリアアップのために、段階的かつ体系的な教育訓練及び希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施する義務があります。
特に、無期雇用派遣労働者に対しては、長期的なキャリア形成を視野に入れた教育訓練を実施する必要があります。

こちらも、実務的にはどうなんでしょうか・・・大手でも、実際に行うのは難しいのではないでしょうか。特に中小の派遣会社では、現状でも教育訓練が十分になされているところは少ないです(計画書はだしているが、ほとんどやっていないところも多い)。また、労働局がどこまで指導できるか・・・ほとんど無理でしょう。

 

均等待遇の実施

派遣元は、派遣労働者から求めがあった場合、以下の点について、派遣労働者と 派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るために考慮した内容を 説明する義務があります。
①賃金の決定
②教育訓練の実施
③福利厚生の実施

こちらについては、詳細を待たないとなんともいいません。「賃金の決定」とありますが、どこまで会社が派遣労働者に説明しなければならないかが現時点ではわかりません(具体的な賃金額まで説明するのか計算のプロセスのみでいいのかなど)。

今回はここまでです。
改正情報はまだ続きます。

派遣法の解説については、以下のサイトで詳しく解説しています。
派遣会社設立・派遣業許可申請代行センター