健康診断が時間外になった場合、割増賃金は必要か?
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今回は、1年に1回義務付けられている定期健康診断が、業務の関係で所定労働時間内に行うことができなく、時間外に及んでしまった場合に残業手当の支払いは必要か?というご質問を頂きましたので、お答えしたいと思います。
労働時間ではないが、賃金の支払いを行うのが望ましい
このご質問の件についは、過去に通達が出ています。昭和47年の古い通達ですが、その通達を要約すると、いわゆる定期健康診断(一般健康診断)については、健康の確保を図る目的で事業主にその実施義務を課しているが、業務の一環として行われるものではないので、その受診にかかった時間について、当然に事業主が負担するべきものではなく、労使間で協議して決めるべき。ただ、労働者の健康を確保することは、事業の円滑な運営を図るために必要な条件であることを考えると、そのかかった時間について賃金を支払うことが望ましいとしています。
つまり、健康診断にかかった時間は、通常の労働時間ではないので、法的な賃金の支払い義務はないので、無給としても、ただちに違反するわけではない。ただ、健康診断は、会社を運営していく上で必要なものであるから、できれば支払ったほうが良いということです。
また、例えば、ある従業員は、所定労働時間内に健康診断を受診して、ある従業員は所定労働時間内には間に合わず、時間外に診断を受けた場合、後者の従業員に賃金を支払わないのであれば、前者の従業員も健康診断に要した時間について、その分を給与から控除しないとバランスがとれません。普通に考えて、そういったことはしないわけですから、やはり後者の従業員にはその分の賃金を支払うのが良いと思います。
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