社会保険・労働保険への加入は原則必須
すでに労働者がいる会社で派遣事業の許可を取得する場合は、当然、社会保険(健康保険及び厚生年金)・労働保険(労災保険及び雇用保険)の両方に加入している必要があります。
もし、会社を設立したばかりで、許可申請時には、労働者が存在しない場合(派遣元責任者や職務代行者はすべて役員が行う場合)は、この時点では労働保険への加入は行えないので、社会保険のみ加入して、許可申請を行うことになります(労働保険については、後日、労働者の雇い入れ後、速やかに加入手続を行い、労働保険番号・雇用保険適用事業所番号を労働局へ連絡する必要があります)。
雇用保険の注意点
雇用保険に関しては、一点、注意点があります。
例えば、すでに労働者がいて、雇用保険には加入しているが、今回、本業とは別に派遣事業用の事務所を借りて、そこで労働者派遣事業を行う場合は、必ず、その派遣事務所で新たに、雇用保険を適用させて、本業とは別の雇用保険適用事業所番号を取得する必要があります。
例えば、本社は名古屋市内にあるが、派遣業は一宮市に新たに借りた事務所で行う場合、派遣労働者への雇用保険の適用は、本社の適用事業所番号を使って適用させてはなりません。必ず、一宮単独で新たに雇用保険適用事業所として一宮のハローワークに申請して、雇用保険適用事業所番号を取得し、その番号で、個々の派遣労働者の雇用保険資格取得手続を行う必要があります。派遣業を行うためには、派遣事務所が独立して雇用保険事務を取り扱う必要があるためです。
また、例えば、本社の業務内容と派遣事業のメイン業務(最も多い派遣先での業務)の内容が異なり、労災保険料率も異なる場合は、本社と派遣業の事務所で労働保険の一括手続が行えないので、労働保険番号についても新たに保険関係成立届を提出して取得する必要があります。
このあたりは、少々ややこしいので、不安な方は一度、ご相談ください。
なお、社会保険については、本社と同一のもので加入して頂いて構いません(派遣事務所として別で加入手続を取る必要はありません)。