小規模派遣会社用の資産要件(以下の資産要件は「新規許可」では現在は使用できません。R4.3現在は、上記のとおり基準資産2000万円、現預金1500万円が必要です)

基準資産額については小規模派遣元事業主のために今回の改正で暫定措置が設けられれています。

(追記:重要)
暫定措置を使って、新規で派遣業許可を取得できるのは、平成28年9月30日までです。それ以降、新規でこの暫定措置を使って許可を取得することはできません。よって、現在(平成28年10月1日現在)、完全に新規で許可取得を目指す場合は、基準資産額2000万円以上、現預金1500万円以上を必ず用意していただく必要があります。
現在、特定派遣業を行っている方は、現在も、以下の暫定措置を使うことは可能です(以下の暫定措置も終了しました。現在は使用できません。R4.3現在)

・常時雇用している派遣労働者が10人以下で1つの事業所のみを有する中小企業事業主(以下の資産要件は「新規」では現在使用できません)

直近の決算で次の①~③すべてを満たすこと
①基準資産額1,000万円以上
②現預金の額800万円以上
③基準資産額が負債総額の7分の1以上
(この暫定措置は、「当分の間」とされているため、いつ終了するかわかりません。少なくとも平成30年9月30日までは続くと思われますが、それよりも早く終了する可能性も否定できません)

・常時雇用している派遣労働者が5人以下で1つの事業所のみを有する中小企業事業主(以下の資産要件は「新規」「更新」共、現在使用できません)

直近の決算で次の①~③すべてを満たすこと
①基準資産額500万円以上
②現預金の額400万円以上
③基準資産額が負債総額の7分の1以上
(この暫定措置は、改正法施行後3年間、つまり平成30年9月30日までと決定しています。期限までに許可換え等を行えば、そこから3年間は有効です。)

・暫定措置の注意点(重要)

上記の暫定措置で、注意する点が2つあります。
一つはこの暫定措置の対象となる中小企業の事業所数が「1」であることが必要ということです。これは、派遣を行う事業所が一つという意味ではありません。会社として、複数の事業所・支店を有していると、その時点でこの暫定措置は使えません(ただし、例えば、会社の登記上の本店住所が自宅で、そことは別に事務所を借りて、そこで事業を行っている場合で、自宅での活動実績がない場合は、事業所数は1ヶ所として認められます)。
もう一つは派遣労働者の人数のカウントです。この暫定措置では派遣労働者の人数がそれぞれ10人以下、5人以下ですが、この人数は、現に派遣されている労働者に限りません。その事業所で過去、派遣されていた人、派遣労働者として労働契約を結んだが今は、派遣していない人なども含んだ数字になります(詳しくはお問い合わせください))

この暫定措置を使って派遣業許可申請をする方は、おそらく、取引先から「派遣許可をとってほしい」と言われて、やむを得ず取得を考えた方が多いのではないでしょうか?
以前は、こういったケースの受け皿が「特定派遣業の届出」だったわけですが、特定派遣が廃止されて、上記、暫定措置が設けられたとはいえ、許可取得は特定派遣の届出と比べてかなりハードルが高くなりました(資産要件の問題だけでなく、許可取得するためにはキャリア形成に関する計画・実施なども必要で、こちらもかなりハードルが高いです)。そのため、取引先に言われて、「分かりました」とすぐに簡単に許可が取得できるものではなくなりました。もし上記の理由で許可取得をお考えの方は派遣業を行うコストとリスクを充分考慮して、決定してください(現在、暫定措置を使って、新規に派遣業許可を取得することはできません)