Q&Aの内容

ここでは、厚生労働省が発表している平成27年改正のQ&A集の中で期間制限に関するものを独自解説します。厚生労働省のQ&A集はこちら

Q1 小規模事業所のため、課やグループといった明確な組織が存在しない場合であって、事業所の長の下に複数の担当がおり、当該担当それぞれが課やグループに準じた組織機能(会計担当、渉外担当 等)を有している場合、当該担当を組織単位として認めることは可能か。

A1  当該担当が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有していれば、小規模事業所において、組織単位と当該担当(組織の最小単位)が一致する場合もある(派遣先の講ずべき措置に関する指針第2の14(2))

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111089.html

上記Q&Aに対する解説

現在の派遣法では、同一の事業所又は同一の組織単位で同一の派遣労働者の受け入れを3年以内としています。つまり、同じ職場に同じ派遣労働者が働くことができるのは3年までということになります。3年経過後は、その職場では労働者代表の意見聴取後に派遣労働者を変えなければなりません。
また、その派遣労働者は事業所や部署が変われば、新たに3年間その新たな職場で勤務することができるため、しばしば、この組織単位が問題になります。
「事業所」が変わるというのは、例えば複数の工場を持っている派遣先であれば、A工場からB工場に勤務先が変更になるのはOKです。事務所であれば、支店等が変更になればOKです。店舗の場合も基本的には店舗が変わればOKということになります。原則としては雇用保険の適用事業所単位なのでこちらは分かりやすいかと思います。

しかし、部署(組織単位)はその区別が難しくなります。例えば、総務課から営業課への変更であればOKですが、総務課人事係から総務課庶務係への変更では認められないということになります。ただし、上記のQ&Aのように、小規模の事業所であれば、人事係から庶務係への変更も認められる余地があるということを上記Q&Aでは示しています。このあたりは実態を基に判断する必要があるため、一概には言えないということになります。

上記Q&Aの中の「派遣先の講ずべき措置に関する指針第2の14(2)」というのは以下のようになっていますの参考までに。

「事業所等にお ける組織単位につ いて は、 労働者派遣法第40条の3の労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の目的 が、 派遣労 働者がそ の組織単位の業務に長期 間に わたって従事すること によって派 遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることを防止することにあることに留意し つつ判断 すること。すな わち、 課 、グ ループ等の業務としての類似性や関連性がある組織であり 、かつ、 そ の 組織の長が 業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有する ものであっ て、派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定してお り、名称にとらわれることなく実態により判断すべきものであること。 ただし、小規模の事業所等において は、組織単位と組織の最小単位が一致する場合もあることに留意すること。 」