派遣契約の基本

派遣契約は、文字通り、派遣元が派遣先へ労働者を派遣し、派遣先の指揮命令下で働かせることを定めた契約です。
派遣業を行うのであれば、派遣先と必ず締結しなければならないものですが、中には何を定めるべきなのかよく分かっていない方もいるようですので、詳しく解説したいと思います。

派遣契約は、一般的には、基本的な枠組みを定めた「基本契約書」と具体的な派遣労働者の就業条件や派遣料金を定めた「個別契約書」に分けられます。

派遣法により、派遣契約には必ず定めなければならない事項が決められていますので、少なくともそれらの定めは必ず必要となります。
下記以外に当然ですが、許可または届出を行っている派遣業者から派遣を受け入れるはずなので許可番号又は届出番号の記載は必ず必要です。

派遣契約に記載しなければならない事項

必ず記載しなければならない事項は以下の内容です。

①派遣労働者が従事する業務の内容

当然ですが、派遣禁止業務を行うことはできません。もし、1人の派遣労働者が、いくつかの業務内容の異なる仕事をする場合は、すべての業務内容を記載する必要があります。

②派遣労働者が派遣される事業所の名称及び所在地その他派遣終業の場所ならびに組織単位

一般的には「課」の単位を想定しています。そのほか電話番号など派遣元が派遣労働者に連絡できる程度の内容は必要。

③派遣先で派遣労働者に直接指揮命令する者に関する事項

具体的に指揮命令する者の部署・役職・氏名が必要

④派遣期間と働く日

期間については具体的に開始される日と終了する日(もちろん制限期間内である必要があります)。働く日については、具体的な曜日(例えば月曜から金曜など)等を指定。

⑤就業の開始・終了時刻と休憩時間

当然ですが、労働基準法の範囲内でかつ、派遣元と労働者との労働契約の範囲内で定める必要があります。

⑥安全・衛生に関する事項

危険有害業務に従事する場合は、その業務内容と危険又は健康障害を防止するための措置内容。特殊健康診断が必要な場合はその実施に関する事項。作業環境管理に関する事項。安全衛生教育等の内容。就業制限に関する事項。安全衛生管理体制に関する事項など。

⑦派遣労働者からの苦情処理に関する事項

派遣労働者から苦情の申し出を受ける者の氏名・部署・役職・電話番号。苦情処理の方法等を記載。

⑧派遣契約解除に当たっての措置

派遣労働者の新たな就業機会の確保、派遣契約を解除する場合の事前申し入れ、派遣契約解除の予告と休業手当に関する費用負担について、解除理由の明示について等を記載

⑨派遣契約が紹介予定派遣の場合は、紹介予定派遣に関する事項

紹介予定派遣であること、職業紹介により従事する場合の契約内容等について記載

⑩派遣元責任者及び派遣先責任者

派遣元責任者及び派遣先責任者の役職・氏名・連絡方法等を記載

⑪時間外・休日労働をさせる場合にはその日数及び時間数

労働契約及び派遣元の36協定の範囲内で記載

⑫派遣労働者に対する福利厚生に関する便宜の供与

派遣先が派遣労働者に対し、診療所・給食施設等の施設の利用、制服の貸与、教育訓練等の便宜の供与の定めをした場合は、それを記載。

⑬その他

・事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のための業務での派遣の場合はその旨
・産前産後休業・育児・介護休業等の代替要員としての派遣の場合は、休業する労働者の氏名、業務内容、休業の期間
・1ヶ月の就業日数が特に少ない者の場合には、派遣先における1ヶ月の業務日数及び通常労働者の1ヶ月の労働日数
・派遣終了後、派遣労働者を派遣先が雇用する場合の措置の内容について
・派遣労働者を無期雇用派遣労働者または60歳以上の者に限定するか、しないか。

 

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